平面的な本・書籍を立体的に撮影する方法とコツ
2018/06/30
本などの書籍の商品を撮影するポイントは、平面的ですので、影で厚みを表現する体的にみせることです。今回は、本の撮影方法やコツをご紹介します。ぜひ、参考にしてください。
■立体的にみせる角度を決める
撮影台に、本を置いて撮影しますと、影がないため、本の特徴でもある厚みがわかりにくく、平面的な単調な感じになります。
平面的な本を撮影する場合は、ある程度の角度をつけて撮影したほうが、立体的に見え、特徴がわかりやすく表現できます。まずは、撮影するまえに、表紙と背表紙の見え方を気にしながら、本の向きをいろいろと変えて、立体的に見える角度を見つけてみましょう。
■立体的にみせる影を調整
本の厚みや紙質の特徴をだすために、カメラは、半逆光の位置で、照射します。
本の下におもりやアクリルキューブを置き、本を浮かせて、高さをだします。本を浮かせることによって、下に陰影ができ、立体感がより強調されます。ただし、ライトの位置が本に近いですと、影が濃くでるため、逆に本の形や厚みがよくわからない状況になってしまいます。
影の濃さや大きさは、ライトの方向・距離と、本を浮かせる高さによって変わります。撮影する本の特徴がわかるような、ほどよい影ができるまで、調整していきましょう。
■扱うレンズは望遠側を使用する
本のように輪郭がわかりやすい商品を撮影する場合、広角で撮影しますと、はっきりとした力強い描写になります。しかし、背景が広く写るため、遠近感が強調され、本のフォルム(形状)が正確に描写されなくなります。そのため、望遠を使って撮影すると良いでしょう。
■遠近感とは?
近くにあるものは、大きく見え、遠くにあるものは小さく見えることを「遠近感(パースペクティブ)」と呼びます。カメラでは、その遠近感を、レンズの焦点距離(レンズの中心点から撮像素子までの距離)を変えることで、調整することができます。
■本のタイトルにピントを合わせる
本の撮影の場合は、比較的ピントを合わせる幅が狭いため、撮影しやすいです。通常、ピントは、タイトルに合わせるのが基本です。
タイトルは、本の背表紙にも記載してありますが、アップで、背景をぼかしたように撮りたい場合は、表紙側のタイトルを使います。
もし、ピントが合っていない場合は、全体的にボケた雰囲気になってしまいます。そのため、しっかりとピントが合うように、調整を繰り返していくか、もしくは、絞りの数値(F値)を大きく絞りこんでみるのも良いでしょう。
絞りの数値(F値)を大きくすることで、ピントが合って見える範囲が広がり、商品の形状などを、はっきりと伝える写真を撮ることができます。
■様々な表現で撮影してみる
本を立体的にみせるために、本の向きを変えて撮影してきましたが、本を立てて、撮影することも可能です。この場合は、表紙と背表紙が見えるように配置します。カメラアングルは、天面(上面)と同じ高さにすると良いでしょう。
また、表紙が、ツヤのある紙質だった場合、半逆光でもテカってしまうことがあります。その場合は、三脚を本に近づけ、高い位置から撮影しますと、回避できます。
よく使われるのが、本を開いた状態でのイメージ写真です。本を開くことで、この本は、どういったものなのかという、イメージがわきやすくなるからです。よく、子ども向けの絵本などに、使われる撮影法です。撮影するポイントは、本を開いた状態で、「手元」を入れることです。
また、イメージ撮影では、小物や飲み物(コーヒーや紅茶)などを手前に置き、その後ろに、本を斜めに置いて撮影するという場合もあります。もちろん、このときも、メインは本ですので、本にピントを合わせます。
■まとめ
カメラが真下を向く「真俯瞰」で、本を撮影する方法もあります。三脚の雲台を逆ざしにして、撮影を行います。本の歪みもなく、きれいに撮影できます。
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